アクティブ・ステレオ方式
時分割方式とも呼ばれる。左右の画像を交互に表示するプロジェクターやモニターに、同期するシャッター式眼鏡をかけて鑑賞する。つまり、左の画が映写されている時は右の目を隠し、右の画が映写されている時は左の目を隠すという仕組み。
原理的には古くからあり、1922年にはモーターでシャッターを回転させる方式の劇場がニューヨークに作られている。だが本格的に普及したのは、1980年代に液晶を左右交互に点滅させる電子式シャッター眼鏡が登場してからである。
かつてVHDビデオディスク(点滅周波数60Hz)に採用された他、すでに閉館した新宿の東京IMAXシアター(点滅周波数96Hz)などで使用された。
色彩に影響がなく、スクリーンの材質に影響されないという利点があるが、点滅周波数が低いとフリッカを発生させるという問題がある。
また、眼鏡を電子制御させる必要があるためコストも大きい。現在、劇場で用いられている製品に、MacNaughton社製のワイヤレス式液晶シャッター眼鏡NuVision 60GXがある。これは点滅周波数を120Hzに上げることで、フリッカの問題を払拭させており、ドイツでは一部の劇場で「ルイスと未来泥棒」の上映に使用された。
Real D(TM) 方式
アクティブ・ステレオとパッシブ・ステレオの利点を組み合わせた、デジタル・プロジェクター専用の方式。点滅周波数を144Hz(同じフレームを左右交互に3回ずつ映写)に上げて、フリッカを完全に除去している。
そして、Zスクリーンと呼ばれる特殊な液晶パネルに映像を通過させることで、アクティブ・ステレオがパッシブ・ステレオに変換される。
このため、観客は安価で軽量の偏光眼鏡で鑑賞可能になる。この眼鏡には円偏光が採用されているため、首を傾けても左右の像がズレることが無い。
さらに、ゴーストバスターという技術で高コントラスト時に発生するクロストークを抑えている。劇場のスクリーンは、シルバースクリーンに貼り替える必要がある。