日本の映画賞②
日本アカデミー賞・ブルーリボン賞に続いての映画賞を紹介します。
◆毎日映画コンクール
戦前の1935年から開催されているのが「毎日映画コンクール」です。第二次世界大戦の時に一時中止された時期はありましたが、1946年以降は毎年開催されている日本でも有数の歴史・格式のある映画賞です。
戦後翌年にあたる1946年に再開されたのは、当時の日本では映画が一番の娯楽とされていたことから、戦争からの復興を後押しするという目的のもとすぐに再開されました。
2022年までに76年もの歴史があり、日本国内ではまたのちに紹介する「キネマ旬報アワード」に次いで長く続いている映画賞です。賞の特徴としては撮影スタッフを表彰する部門や俳優の名前を冠した部門である様々な映画関係者を表彰します。選考方法もまず映画評論家、映画記者などによる第一次選考投票が行われ、得票数の多い上位作品や俳優、関係者を第二次選考で協議をおこない各賞が決定します。
また他の映画賞にもあるような作品部門や俳優部門などの他に「TSUTAYA × Filmarks映画ファン賞」という部門があります。これは映画ファンが自ら投票できる数少ない賞のため、映画ファンのなかでも注目を集めている賞で、「日本映画部門」「外国映画部門」の2賞が決定します。
◆キネマ旬報ベスト・テン
日本で最も歴史のある映画賞が「キネマ旬報ベスト・テン」です。これは1919年に発行された映画雑誌「キネマ旬報」が選出する映画賞で、その歴史は古く1924年に「キネマ旬報ベスト・テン」という名称で洋画を選出しました。1926年からは日本映画(邦画)も選考対象となりました。
映画を選考するのは映画評論家を中心に新聞記者、映画雑誌編集者などから厳選された100名以上の選考委員で、それぞれが各部門10本の映画を選び、1位10点などように数値化して、その合計点で賞を決定します。
最大の特徴は映画を専門にしている人や映画に携わっている人などで選考委員が構成されていることから、必ずしも世間的にヒットした作品が賞を受賞するという事はなく他の作品が選出されるという事も多々あり、その選考理由や特典の集計などもキネマ旬報本誌で掲載されるので、映画ファンにとっても透明性高い賞なのではないでしょうか。